海に焦がれる碧い書斎

感想、考えたことの記録

未来への涙、プリキュアが抱きしめる。

 


ハグプリの新しき描写はアンリくんを通じたジェンダー論などさまざまな点で出ていますが、個人的にやはり敵キャラが味方についたこと、何より一度心挫いた大人が「生きてる限りやり直せる」といったセリフを叫んだところでじーんと来ました。

 


基本的に敵はプリキュアを倒しに雑魚を生み出す→しかし苦戦していく→ついに自らの体を怪物化する→倒されて浄化
といった形がデフォでしたが、ハグプリでは浄化されたあと、「姿形は変わることなく、新しい生活をして日常を送っている」のが何人かいますけ。これが結構珍しいケースなのです。さらに言うと一回また悪いことした人もいましたが反省しましたね。


実を言うと敵キャラの扱いをはじめプリキュアは回を重ねるごとに演出や描き方がより温かく優しい方というか、そんな感じに変わりつつあり、ハグプリはそれを大きく開花させたなぁというのが強い印象です。


ちなみに個人的にちょっときついなと思ったのは敵幹部たちが苦しみ自ら怪物化して泣き叫ぶシーンです。正直言ってる内容がシャレにならなくてこっちもトゲパワーが発生してました。
というのも、あの怪物化した幹部って、仕事等でうまくいかずに心身問わず悪化させてかなりしんどい状態になった人・大人の象徴に思えたからなんですよ。

 

一度かなり深刻化すると「完治」とか「かかる以前と同じ状態に戻る」ことは極めて難しくなるというのは肉体・精神問わず。治すか和らげるには原因や自分を見つめ直すなど大変な作業とともに日々を送る必要があったりします。(アンリくんがわかりやすい例ですね)
プリキュアでは圧倒的な浄化パワーを持ってだいたいなんとかしてますが、現実はそんな夢のアイテムはありません。
じゃあどうするか。個人的には日頃から自ら自分を愛しハグする気持ちと行動が求められるのと、あと、ちょっと落ち込んでるなーって人に対して「あなたのこと見てまっせ」とエールを送り続けること、これがとにかく必要なのかなと思いました。なんとなく勘だけどこの辺の答えはラスボス戦あたりで見出せそうな気がする。

 

 


そうそうアンリくんといえば、あまりプリキュアを知らない人が驚くくらいに大きく取り上げられていましたがあのような描写は今急に始まったことでなく、これまでのプリキュアでやってきたことを積み重ねた上でのものだと強く思います。(あと、一時的にあの奇跡を起こしたものの、怪我がなかったことにされたわけではないというのは大変グッときました)

 

最終回楽しみだなー