海に焦がれる碧い書斎

感想、考えたことの記録

良き作品は無知をも抱きしめる

キンプラ」はエネルギーの塊、と言っても過言ではなかった。

 

前作の「キンプリ」においては、危機的状況から一転して奇跡的なレベルのヒットとなりSNS上でも話題となった。さて今回の「キンプラ」はどうだろうか。

キンプラについて知っていることは、キンプリの続戦であることと、上映時間がおよそ70分と前作とさほど変わらないことのみ。プリリズを視聴することなく見ていくことは問題ないのか?と思う人もいるかもしれない。

先に答えておこう。全く問題ない。

強いて言うなら、キンプリは見ておいたほうがいい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

70分でよかった

 

 

登場人物が多いにもかかわらずストーリーはわかりやすく、セリフの詰め具合はまるで1クールのアニメの総集編かのよう。でもこれは完全新作。全く目が離せない中で繰り広げられるプリズムショーは眩さと輝きのフルコース。ただただ圧倒的だった。

 

 

惜しみなきみっともなさ

 

コウジの前で崩れたり聖の叱咤にへこたれるヒロ、冷に相談し迷うカヅキ。カヅキの戦いに惚れるタイガ、大和アレクサンダーなど。気がつくと今回はアイドルたちに「パアッ」「ホワァ」などの擬音語・擬態語がつきそうなほど感情表現が印象的である。見方次第ではみっともないと思うかもしれないが、誰もが迷いあがいて悩む事をバンバン表していて、目が離せなかった。

 

 

応援したくなるシステム

 

前作とキンプリでは、ピンク色の字幕によるセリフ熱唱タイムなどなかなかアツい応援ができる一方で、やはり行き過ぎた声出しもあったらしい。キンプラの応援上映では冒頭に鑑賞するにあたっての注意ムービーが流れたのだ。

今回のキンプラではしっかりと応援タイムはあるがプラスして前記のような濃いやりとりや表情が満載なので、大会のシーンではもう多幸感MAXである。ヒロとカヅキ先輩は流石であった。 

 

 

良き作品は無知をも抱きしめる

 

 

このようなシリーズ作品、関連作品系統に触れるうえで最も億劫になるのが「元作品を把握しなければいけない」という感覚である。ましてやキンプリ・キンプラの場合は女の子のアイドルが出る女児向け作品が軸となっている上に、元作品の放送も展開も終わっている。なぜこのタイミングで番外編的なものを出したのかとすら感じた。だが言ってしまうと「面白かったら、元がなんであろうと調べたくなるし見たくなる」のである。監督をはじめとするスタッフのこだわりと情熱はあらゆるシーンで散りばめられており、プリリズを知らない私でも「こりゃとんでもないことやってるな」と肌で感じたほどである。アツい熱量は知識云々を超えてしまうほどすごいのだ。

というわけで、プリリズを知らなくても、アニメ作品としての面白さが伝わったキンプラ。男性アイドル作品が男性多々ある中、これからの展開も楽しみである。